灯蔵オビハチとは
日本が世界に誇る文化財「蔵」をもう一度見直すべき時
山形市の蔵は、明治時代に発生した大火の後当時の行政施策によって盛んに建てられました。山形市内全体では400棟弱、中心市街地周辺に絞り込むと約150棟が現存し、山形市内の街並みを構成しています。
蔵の用途は、倉庫として使われる『荷蔵』店舗として使われる『店蔵』仏具を保管する『仏蔵』等がありますが、現存する中心市街地周辺の蔵は倉庫として利用される『荷蔵』が多く、その数の約9割を占めています。

蔵が活きていた時代、それは日常生活に溢れる(モノ)が大事にされる時代でした。農家にとっての農具、布団屋にとっての綿など、蔵は貯蔵庫であり、同時に人々の財産でもあったのです。
しかし、現代に生きる我々にとって失われた習慣となった蔵は生活の必要性が徐々に失われ、町の表層にさらされ用途のない空き地として孤立の道を辿っていました。
築90年が経過していたこのオビハチも、かつて小嶋商事が扱っていた品々や小嶋家の冠婚葬祭で使われていた品々が眠っていましたが、その多くはごく有り触れた古道具で単なる物置きでした。
街並み保全として蔵の有効活用を考える学生の取り組み
はじめは学生による授業の一環として山形市の街並み・街作りを考える取り組みから、蔵プロジェクトが結成されました。
市内の眠っている蔵、次第に取り壊されて行く蔵を何とかしようという想いから蔵オビハチはその一号として選定され、 2003年7月に改装を経てリニューアル。学生たちの実験プログラムから、蔵づくりのイベント会場・ライブ会場・カフェとして生まれ変わりました。

息を吹き返した蔵オビハチは学生たちの思いを引き継ぎ、中心市街活性化ネットワークの基地として主となって蔵建造物を守る活動の拠点となり、 実験終了後はオーナーの心意気でのシンボルとして本格的で洒落た内装のライブイベントカフェバーとして営業しています。
実際いらしてみて、貴方なりに蔵の持つ独特の空間を感じとってください。きっと忘れかけてい何かが心の内に蘇ってくると思います。
健康に配慮した自然素材のランチ、夜のバーとしての営業はデートコースに、貸切でのライブや各パーティー等にもお勧めです。皆様のお越しをお待ちしております。
蔵仲間のご紹介
■蔵ギャラリー氷室
山形県鶴岡市奥湯野浜温泉旅館「龍の湯」の酒蔵をギャラリーとして再利用
■ふく蔵
兵庫県加西市 酒造会社富久錦が明治時代に建てた蔵をカフェとして再利用
静岡県浜松市 製茶・織物工場の蔵をギャラリーとして再利用
福島県喜多方市 酒蔵として利用していた土蔵をホールとして再利用
宮城県村田町 江戸末期に栄えた豪勢な店蔵群を陶器市場として再利用
■スチューデントファーム「近江楽座」
滋賀県立大学の学生が地域活性のお手伝いをしています。
東京都青梅市 石蔵を創作料理のレストランとして再利用
岡山県真庭市 酒蔵「御前酒蔵元辻本店」の蔵をレストランとして再利用